マンスフィールド-PhRMA研究者プログラム
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第11期マンスフィールド・PhRMA研究者プログラム
米国スタディツアー2025 報告
2025年9月、マンスフィールド-PhRMA研究者プログラムは、ワシントンD.C.、フィラデルフィア、ボストンを訪問する2週間の米国研修ツアーを実施しました。米国研究製薬工業協会(PhRMA)のご支援により実施された本ツアーでは、日本で製薬研究に携わる研究者8名が選抜され、医療政策、規制実務、起業家精神育成の機会など、米国の創薬エコシステムのさまざまな分野の関係者と交流する機会を得ました。
また、今回の第11期生の研修には、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、経済産業省(METI)、日本貿易振興機構(JETRO)から各1名、合計3名のオブザーバーが同行しました。
ツアーは、9月15日にワシントンD.C.のPhRMA本部を訪問したことを皮切りに始まりました。D.C.では主に連邦政府による研究に焦点を当て、国立衛生研究所(NIH)傘下の国立先進トランスレーショナル科学センター(NCATS)や、国立小児病院精密医療・ゲノム研究センターを訪問したほか、元ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)科学・社会・政策担当次長補佐のケイ・コイズミ氏との会合が行われました。
また、戦略国際問題研究所(CSIS)、アジア・グループ(TAG)、デューク大学マーゴリス医療政策研究所などの非政府組織や、世界大腸癌協会(GCCA)などの患者支援団体との議論の機会も設けられました。さらに一行は、久能祐子博士と上野隆司博士から、米国製薬業界で成功を収めた日本人研究者としての経験についてお話を伺いました。
フィラデルフィアでは、ドレクセル大学およびペンシルベニア大学での会合を通じて、トランスレーショナルリサーチにおける学術界の役割について学びました。ペンシルベニア大学トランスレーショナル医療・治療薬研究所(ITMAT)およびペノベーション・ワークス(ペンシルベニア大学)では、複数の教員と現在の研究戦略や教育プログラムについて議論するとともに、次世代の発明家や起業家を支援するための施設を見学しました。
また、コールター・ドレクセル・トランスレーショナル・リサーチ・パートナーシップ・プログラムでは、学術研究と産業界の間に存在するギャップや、その移行を加速する方法について議論が行われました。
フィラデルフィアでの視察は、ペンシルベニア州スプリングハウスにあるジョンソン・エンド・ジョンソンのキャンパス訪問で締めくくられ、参加者は医薬品開発プロセスだけでなく、企業における事業開発や製品マーケティングの戦略についても学びました。
研修ツアー第2週目は、米国における医薬品・トランスレーショナルリサーチの主要拠点である、マサチューセッツ州ケンブリッジのケンドール・スクエアを訪れました。多くの面談者がケンドール・スクエアの歴史について説明し、この地区に医療・研究関係者が密接に集積することで形成されてきた研究エコシステムの影響力を強調しました。
ボストンでは、製薬企業の武田薬品工業、エーザイ、アストラゼネカ傘下のアレクシオン、イーライリリーに加え、マサチューセッツ工科大学(MIT)およびタフツ大学(MITのコッホ統合がん研究所、タフツ医薬品開発研究センター)との会合も行われました。
最後に、一行は米国におけるバイオテクノロジーや製薬企業の初期開発段階への理解を深めるため、LabCentralのスタートアップ支援施設を見学しました。現地では、ホワイトヘッド研究所のハーベイ・ロディッシュ博士、ならびにストランド・セラピューティクスの共同創業者である北田輔博士とジェイコブ・ベクラフト博士から、研究成果の事業化や起業に関する知見についてお話を伺いました。
また、コビントン・アンド・バーリング法律事務所やエフプライム・キャピタルのパートナーとの面談では、資金調達、知的財産の保護、報告・開示義務の履行など、起業において研究以外に求められる側面について解説が行われました。
視察期間中、参加者は日米両国の制度を比較し、米国におけるシステムのどの部分が日本に適用可能であるかについて考察を行いました。研修最後の振り返りでは、研究過程における失敗へのアプローチの文化的差異が特に焦点となりました。日本の研究システムと比較して、米国では失敗をイノベーションに不可欠なステップと捉え、そこから得られた教訓を迅速に活用して次のアイデアへと移行する姿勢が指摘されました。
そのほかのテーマとして、特にボストンなどの研究コミュニティにおけるステークホルダー間の密接なコミュニケーションや、若手研究者や新興企業を支援するシステムの整備などが挙げられました。
こうした日米間の差異について考察した参加者は、新たなエネルギーと意欲を胸に日本へ帰国し、同僚や学生と今回の研修で得た知見を共有するとともに、それらを日本の研究開発システムに応用していく決意を新たにしました。
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